台所用スポンジやクッションなど、皆さまの生活でよく使われているウレタン。どんな物か知っていますか?
どんな原料を使って、どのように作られているか分かりますか?
そんな、生活に欠かせないウレタンを、詳しくご紹介。このページを見れば、誰かに雑学でお話ししたくなること間違いなし。
1ウレタンとは
一般的に『ウレタン』と呼ばれていますが、弊社のようなウレタンを取り扱う業界では『ポリウレタン』が正式名称となります。『ポリウレタン』は基本的には2種類の主原料を混合させ反応させることによって作られるポリマー(プラスチック)のことで、配合方法や、成形方法を変えることで、フォームクッション、断熱フォーム、エラストマ−、塗料、接着剤、合成皮革(人工皮革)、弾性繊維など幅広く使われております。
ポリウレタン製品は下図のようなフォーム品と非フォーム品に分かれます。フォームとは泡の意味で、ポリウレタンを発泡させたものを言います。発泡させたものをフォーム品、発泡していないものを非フォーム品と大別することができます。
代表的な4つを紹介いたします
フォーム品
軟質ウレタンフォーム柔らかく、クッション性と復元性に富んでおり、10~60倍程度に発泡した連続気泡のセル構造を有した石油化学製品です。クッション材や台所スポンジなど、日常で最も多く目にし、良く使われているウレタンフォームです。
軟質ウレタンフォームと硬質ウレタンフォームの中間の硬さが半硬質ウレタンフォームです。高反発・高弾性が特徴なので、マットレスなどの芯材などで使われています。
硬く、断熱性に富んでおり、見かけ上は、小さな泡の集合体で、この小さな硬い泡は、一つ一つが独立した気泡になっていて、この中に熱を伝えにくいガスが封じ込められています。そのため長期間、優れた断熱性能を維持できるので、断熱材として住宅へ使われています。
非フォーム品
エラストマーエラストマー状(elastic:弾力のある+polymer:重合体ポリマーからなる造語、弾力のある構造)のウレタンのことです。一般的に「ゴム」と呼ばれるものもエラストマーに含まれます。車やバイクのタイヤ、靴底のソールなどに使われています。
2どのように作られているか
ウレタンフォームは大きく分けて5つの製造方法があります。
3ウレタンフォームはどんなことに使われているのか
材質 | 分類 | 用途例 |
---|---|---|
軟質ウレタンフォーム | 車両四輪 | 自動車・建築機械・鉄道車両等の座席用クッション、カバー生地ラミネート裏打ち材、ドアトリム・センタピラガーニッシュ等緩衝材、シーリング材、床天井等吸音・制振材 |
二輪 | サドル、エアフィルター、オイルフィルター、ヘルメット内張り、ライダークッション | |
機器 | 各種吸音材、空調用フィルタ、液密・気密シール材、防音フローリング材 | |
家具 | 椅子、座イス、ソファー、置きクッション | |
寝具 | マットレス、掛け及び敷き布団、まくら、ベッドパッド | |
インテリア | 座布団、各種クッション、カーペット・マット類裏打ち、コタツ敷・掛け | |
包装 | 精密機器用梱包材、食品・果物梱包材、鮮魚トレー敷き | |
日用雑貨 | キッチンクリーナー、ボディーソープ用クリーナー、靴磨クリーナー、洗車用クリーナー、オムツ用サイドギャザ−、靴(表皮材裏打ち、中敷き、インナブーツ)、スリッパ芯、縫いぐるみ等詰め物、化粧用パフ | |
衣料用 | 肩・ブラジャー等のパッド、防寒材ライナー | |
その他 | 育苗用・園芸用土壌、水耕栽培用資材、水処理用担体、フェンス衝撃吸収壁、運動用着地マット、マネキンボデイー、船舶椅子用クッション、遊具ボール、音響効果室吸音材、車椅子用クッション、保温・断熱材 |
半硬質ウレタンフォーム | 車両 その他 | インストルメントパネル、アームレスト、ヘッドレスト、サンバイザ、ハンドル航空機用クッション・バック |
硬質ウレタンフォーム | 船舶 | 漁船、大型船、冷凍貨物船、コンテナーの断熱 |
車両 | LNG船、LPG船、液化ガス船の断熱、FRPボートの芯材 | |
プラント類 | 大型船舶、救命艇の浮力材 | |
断熱機器 | ブイ、浮き類の浮力材 | |
建築 | 冷凍庫・保冷車、鉄道コンテナー、タンクローリーの断熱 | |
土木 | 車両(新幹線など)、トラック天井断熱 | |
家具・インテリア | 化学工業設備タンク・配管の断熱、重油タンク・配管等の保温 |
4ウレタンとスポンジの違いについて
まず、スポンジとは、内部に細かな孔が無数に空いた多孔質の柔らかい物質で、液体にひたすと孔内の空気と置換される形で液体を吸い取り、また外部からの力で容易に放出する特性を有するものとされています。そのため、こうした性質を利用して化粧用、浴用、医療用に、洗剤などを染みこませて洗浄などの用途に使用することができます。また、水を長時間含有できる性質から、紙めくりの作業などにも用いられます。アクアリウムのフィルターとして、水をスポンジに通してゴミを濾し取る事が出来、また多孔質である事から内部に濾過バクテリアを繁殖させて利用する事も出来ます。
吸音、クッションなどとしても利用されています。こうした製品は、もともと生物のカイメン(海綿)を加工して製造していました。現在はほとんどの製品がポリウレタン等の合成樹脂を発泡成形して作られています。製品としては、前者を「天然スポンジ」、後者を「合成スポンジ」と呼び分けています。現在の日本では合成スポンジの流通量が天然スポンジを上回っているため、一般的に日本語で「スポンジ」とは合成スポンジを指して用いております。
天然スポンジ
合成スポンジ